【 第8話 目標から遠ざかる悔しさ 】
もはや足の痛みはピークを迎えていた。
疲れもあり、ふらふらになりながら、
トイレに行った。
その後もしばらく歩いた。
そうして給水にたどり着いた。
僕はポーチの中のSOYJOYを口に含んだ後、
給水で持ってきておいた痛み止めの薬を飲んだ。
少しでも痛みが治まってくれればとの思いだ。
そうして帰りのフリーウェイに入った。
歩いては走り、歩いては走りを続けながら、
進んでいた。
そうして、2Kmくらい過ぎ、
32Kmを過ぎたあたりだった。
なんだか後ろにたくさん人がいるような気配を感じた。
なんと目標としていた6時間のペースランナーだった!
その周りに6時間を切ろうとする人たちが一緒に走っていた。
“あぁ、僕の目標タイムが・・・”と思い、
僕は意地になって、走り始めた。
しかし、足の痛みも疲れもピークになっており、
ペースランナーのペースについていくことは到底できなかった。
それでもついていこうと思い、
一緒に1Kmくらい走った後、
僕は後退しだした。
“目標としていたものが遠ざかっていく・・・”
徐々に小さくなっていくペースランナーの姿に
僕は悔しくて涙が出てきた。
目標から離されていく悔しさを痛感した。
・・・もう仕方ないと思いと気持ちを改め、
足には疲れがとれるという「ジュエリーエッセンス」を
塗りながら、走り始めた。
1.5Km走っては、
500m歩くという繰り返しが続いた。
腰に巻いたハチマキを手に取り、
彼女からの「頑張れ」という言葉と
おそらくMKさんが書いてくれた「感謝してます。ありがとう」
という言葉が胸に刺さり、
僕はゆっくりと走り始めた。
沿道で応援してくれる人にも手を振って応えた。
最初の頃のハイタッチを繰り返していた時とは違う気持ちで、
応援してくれる人にも敬意を表しながら走り続けた。
まさに歩くより、ほんの少し速いスピードで。
「猛烈な悔しさ」を感じ、
「共に支えてくれる人の大切さ」も感じた。
2007年12月27日
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